医光寺庭園(いこうじていえん)
- 【所在地】
- 島根県益田市染羽町4-29
- 【開園面積】
- 2,197㎡
- 【入園料金】
- 500円(拝観料)
- 【公開時期】
- 年中無休
- 【施設管理者】
- 宗教法人医光寺(民間)
山畦地形を活かした立体的な地割に表現された不老不死を祈念する蓬莱思想の世界
雪舟が作庭したと伝わる池泉庭園。裏山を活かした池泉鑑賞半回遊式の庭園。池泉部の中央に亀島を、その対岸の出島には鶴石組を設け、蓬莱山水庭園として作られています。西側の山岸に須弥山石を置き、その下には枯滝組を設けている。山の斜面にはツツジを刈り込み、左右にもみじと長さ3メートルに及ぶしだれ桜を配した景趣清雅な泉水庭として有数であり、昭和3年(1928)3月28日に国の史跡及び名勝に指定されています。
対照的に表現された鶴と亀
この庭園の見どころは、鶴亀蓬莱の表現で、不老長寿を祈念する蓬莱思想を主題とする庭園です。池の中央に配された中島上に、亀甲石、亀頭石、亀手石、亀脚石、亀尾石と、亀を表現する石がすべて配され、中島全体で亀を表現しています。
対する鶴は、池の西端に出島が配され、そこに羽石、鶴首石が据えられ、亀に比べるとやや抽象的な形で、鶴が表現されています。これらの亀と鶴は向かい合うように配置され、さらにその奥の山畔に三尊石組による枯滝が組まれ、仙人が住み不 死の薬を作っているとされる蓬莱山中が表現されています。
医光寺について
医光寺は益田氏の菩提寺で、臨済宗東福寺派の寺院です。もとは崇観寺といい、益田氏の周旋により諸山に列せられました。崇観寺が戦国時代に何らかの理由で衰退し、後身寺院として医光寺が発展しました。雪舟は崇観寺の5代住職であったと伝わり、ここで荼毘にふされたと伝承が残っています。その灰塚も境内に存在します。
庭園を間近に鑑賞できる庫裏では、茶がふるまわれるほか、本堂で地元の小学校の歴史の授業が行われるなど、現代の益田の歴史文化の情報発信拠点としても活用されています。
日本遺産
「中世日本の傑作益田を味わう-地方の時代に輝き再び-」構成文化財の一つ
計画のテーマでの位置づけ
雪舟作庭伝承の残る文化財庭園。国指定史跡及び名勝。雪舟が晩年、益田に滞在し、医光寺の前身・崇観寺の住職であった際に作庭されたと伝わっています。