山口市阿東から山口県萩市の日本海に向けて流れる阿武川の上流域に位置する渓谷で、国指定文化財の名勝や長門峡県立自然公園に指定されているほか、萩ジオパークの一部として日本ジオパークに認定されています。

　渓谷の両岸には岩盤の絶壁がそびえたち、奇岩や滝、深淵などが織りなす奇勝です。

　ごつごつとした岩がダイナミックにそびえ、その間を穏やかに水が流れる、線と角で表現される情景は、雪舟の水墨画を彷彿とさせます。

　長門峡には、雪舟が来往して画筆を取ったという伝承や、雪舟閑居の跡とされる平地や雪舟滝と名付けられた滝があるなど、雪舟がこの地を訪れたとする伝承が残っています。

　雪舟だけでなく、山口市出身の詩人・中原中也もこの地を絶賛し、『冬の長門峡』という詩を残しています。

　長門峡の入り口には、「道の駅 長門峡」やＳＬやまぐち号が停車する長門峡駅もあり、旅の途中を楽しむことが出来ます。