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「第19回雪舟サミット」自治体リレートーク

山口市

山口市長の渡辺でございます。
本日は第19回雪舟サミットを本市で開催できますことを、大変嬉しく感じておりますとともに、ご参集の皆さまに感謝を申し上げる次第でございます。
それでは、私からは、山口市と雪舟の関わりや、本市の歴史文化を生かした取組について、御紹介をさせていただきます。

御案内のとおり、山口市は、山口県の中央部に位置する県庁所在都市でございます。
約1023平方キロメートルと県下最大の面積を有しており、北は中国山地の山々が連なり、南は周防灘に面する、南北に長く広大な市域を有しております。

本市と雪舟との関わりについてでございますが、半 世紀を超える雪舟の画家としての活動の中で、山口は、雪舟が最も長く滞在したまちでございました。
山口と雪舟についてお話をするとき、やはり、室町時代、山口に本拠を置いていた守護大名・大内氏の存在を抜きには語れません。
写真は今年7月に発刊いたしました、「西国一の御屋形様 大内氏がわかる本 入門編」の一部でございます。
大内氏は、山口を拠点とし、九州北部から西中国地方一帯を治めたほか、南北朝の統一や、応仁の乱など室町幕府の政局にも度々関与をし、日本の歴史に大きな足跡を残しております。
また、大内氏は、中国の明王朝や朝鮮王朝、さらには琉球王国とも盛んに交易を行ったことから、その本拠でありました山口は国際都市として経済的に発展し、繁栄をいたしました。
大内氏は、京の都に模して山口のまちづくりを行うとともに、都の文化や、大陸の文化を積極的に受け入れ、それらの文化を融合させつつ、独自の文化的要素も加え、“大内文化”を花開かせました。

この大内氏のまちづくりは、その後の山口のまちの基礎となり、幕末・明治維新期に多くの志士が活躍した「明治維新の策源地『山口』」へと繋がり、現在に受け継がれております。
このように、大内文化が花開いた時代、山口には、京都から多くの公家や文化人が訪れました。
中国大陸に渡り、水墨画の修行をしたいと考えていた雪舟もその一人でありました。

こうしたことから、山口市内には雪舟が作庭したとの伝承を持つ文化財庭園が多く残っております。
写真はガーデンツーリズム「雪舟回廊」の構成庭園であります、「常栄寺雪舟庭」と「常徳寺庭園」でございます。

「常栄寺雪舟庭」は、国の史跡及び名勝に指定されておりまして、大内政弘の命により雪舟が作庭したと伝わるものでございます。三方を山に囲まれた地に、池(ち)泉(せん)と枯山水からなる美しい庭園が築かれており、本市の人気の観光スポットとして多くの方々にお越しいただいております。
「常徳寺庭園」は、古くから雪舟作として伝わっていたものの、長い年月埋没しておりましたことから、平成8年度から発掘調査を行い、全容を解明してまいりました。
平成12年には国の名勝に指定され、国の補助を受けて、保存整備事業を進めまして、雪舟生誕600年の昨年10月に一般公開を開始いたしたところでございます。

加えて、山口市には、雪舟が山口滞在中の活動の拠点とし、国宝「四季山水図(山水長巻)」をはじめとする多くの絵を描いたとされております市指定史跡「雲谷庵跡」がございます。
写真の建物は雲谷庵跡地に明治17年に再建されたものです。
 濱中先生から御指摘もありましたけれども、私どもとしては、ここを雲谷庵跡として指定をいたしております。
また、本市には、国指定史跡「大内氏遺跡(いせき)(つけたり)(りょう)雲寺跡」など、室町時代から残る文化財が数多くございます。
写真の大内氏館跡の庭園は、ガーデンツーリズム「雪舟回廊」の構成庭園となっております。
雪舟と同時代の庭園を復元したもので、雪舟庭園として伝わる庭園と比較することで雪舟庭園の魅力を深く理解いただくことができます。

今回のリレートークのテーマであります、「歴史文化資源を生かした多様な交流が生まれるまちづくり」についてでございます。
本市では、歴史文化を生かしたまちづくりの指針であります「大内文化まちづくり推進計画」を平成30年3月に改定し、「大内文化に息づく”進取(しんしゅ)の気風”を受け継いだ新たな価値と出会いが生まれるまちづくり」を基本理念に掲げ、各種施策を展開しております。
本計画では、文化財等の保存整備や人材育成など、歴史や文化を生かしたまちづくりのさらなる基盤強化に取り組むこととしており、モデル地区と位置付ける大内氏館跡がございます大殿地域を中心とする大内文化特定地域の取組を加速化させ、にぎわい創出の中心となる場の確立や、そのにぎわいを市全域に波及させる取り組みを進めることによりまして、市民の皆様の大内文化に宿る愛着や誇りの醸成、新たな価値の創造による地域の活性化を図ることといたしているところでございます。

それでは、歴史文化資源を生かした多様な交流が生まれるまちづくりに関しまして、雪舟にまつわります、本市の取組を御紹介させていただきます。
ご案内のとおり、昨年は雪舟生誕600年の記念の年でありましたことから、山口市におきましても関連記念事業を多数展開いたしました。
これらの事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止への取組をしっかりと行いながら、国や県のイベント開催基準などを踏まえ、実施いたしたものでございます。
一例をご紹介いたしますと、常栄寺雪舟庭におけます、音楽家・坂本龍一氏と新たな芸術表現を創造し発信する文化施設「山口情報芸術センター[YCAM]」のコラボレーションによるアート展示、雪舟にちなんだスタンプラリーや周遊促進に係るイベントなどを開催いたしました。期間中は多くの方に御参加いただくことができました。
また、雪舟と大内氏・大内文化をテーマとしたシティプロモーションとして、動画「大内のお殿様と雪舟」を製作し、ウェブサイトや動画投稿サイトで公開いたしました。
動画につきましては、現在も山口市観光情報サイトホームぺージ「西の京やまぐち」雪舟生誕600年特設ページにて公開しております。是非ご覧いただければと存じます。

さらに、県外の山口出身者等にも配布いたしております、広報誌「彩都(さいと)やまぐち」や、本市ゆかりの歴史上の人物や出来事などを紹介する冊子「山口ヒストリア」に、雪舟特集を組みまして、雪舟生誕600年、及び山口市の歴史文化を市内外に広くPRいたしたところでございます。

続きまして、今年度の取組でございますが、ガーデンツーリズム構成市であります、防府市さん、益田市さんと連携し「SLで行く!ガーデンツーリズム秋の3物語」と題したガーデンツーリズムモニターツアーを11月20日から21日にかけて開催することとしております。
こちらのモニターツアーはガーデンツーリズムの構成庭園を中心に3市の魅力を満喫できる内容となっておりまして、現在、募集期間中でございます。募集開始から、大変大きな反響をいただいており、ガーデンツーリズムの人気を実感いたしているところでございます。本日ご参集の皆様にも是非お申込みいただければと存じます。
また、昨年度から引き続いて、益田市さんと山口市の構成庭園などを周る「JAF(ジャフ)ドライブスタンプラリー」を12月まで実施しております。こちらも、是非ご参加ください。

このように、雪舟の残した功績は、600年経った今日におきましても大きな広がりとなって、雪舟ゆかりの地をつないでおります。
本市におきましても、こうした雪舟の御縁を大切にいたしまして、引き続き歴史文化資源を生かした多様な交流が生まれるまちづくりに努めてまいりたいと考えております。
山口市からの発表は以上になります。御清聴ありがとうございました。

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山口市文化政策課
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