
多島美と海霧
三原市は広島県東部に位置する,人口約9万3千人のまちです。古くから近畿と九州を結ぶ交通の要衝として発展し,鎌倉時代から戦国時代にかけて,小早川氏が台頭してくると,小早川氏ゆかりの寺々が創建されました。
その一つである佛通寺は,雪舟ともゆかりがあります。佛通寺は応永4年(1397)年に小早川春平が愚中周及を招いて開いた寺であり,臨済宗佛通寺派の大本山です。佛通寺には雪舟が滞在したとされる篩月庵の跡地や,雪舟がつくったとされる庭園があります。また,佛通寺には,雪舟の描いた「金山図」と「育王山図」が近世初期まで伝えられていたとされています。「金山図」と「育王山図」は,広島藩の御用絵師を務めた狩野安信によって,寛永17(1640)年に模写されました。現在の佛通寺には,その模写が残されています。

佛通寺
ぜひ,三原市にお越しいただき,雪舟とのつながりを感じていただければと思います。