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第15回雪舟サミット サミット自治体リレートーク

司会>
皆さま、お待たせいたしました。ただいまよりサミット自治体リレートークを始めます。最初に参加自治体の方々をご紹介いたします。向かって左手から、岡山県井原市、副市長三宅生一様でございます。次に、岡山県総社市、総合政策部長ノ澤康洋様でございます。山口県防府市、副市長中村隆様でございます。広島県三原市、市長天満祥典様でございます。山口県山口市、総合政策部長松冨博之様でございます。最後に、開催地であります島根県益田市市長山本浩章でございます。このサミット自治体リレートークの司会進行をお務めいただきますのは、元山陰中央新報社西部本社代表で、現在はこのグラントワのいわみ芸術劇場館長であります末成弘明様でございます。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。それではここからは末成様に進行をお願いいたします。
末成>
末成・いわみ芸術劇場館長はい、皆様、こんにちは。今日はようこそグラントワへいらっしゃいました。6自治体の代表の皆様、本当にありがとうございます。今日は第15回目の雪舟サミットということでございますが、グラントワもこの10月で10周年でございます。本当に皆様のおかげで10年を迎えることができました。この記念すべき年に第15回目の雪舟サミットがこの地で開かれることを大変うれしく思います。先ほど山下先生のほうから大変すばらしい講演をいただきました。地元にあります兼堯像がひょっとしたら7番目の国宝になる、十分その価値があるし、そうじゃないかという大変うれしいことばもいただきました。雪舟さんの絵、僕、すごいなと思いながら何の気なしに見ておったわけですけども、抽象画の先駆者ではないかとか、中国は今だったら簡単に行けるんですけども、今で言えば宇宙飛行士ではないかと。パリ帰りのベレー帽をかぶった、あの雪舟さんの帽子、おもしろいなと思ったんですけど、今から見ればああそうなのかなと、改めて、雪舟さん、ミステリアスですね。ほんとにすばらしいし、ほんとにある面ではミステリーのお話を聞くような、大変興奮したお話でよかったと思います。そういったすばらしい雪舟さんを縁に、この6自治体、持っているということは本当に自信でございますし、名誉でございます。誇りでございます。そういった中でますます連携を深めていけばいいなと思っております。
それではリレートークを始めさせていただきます。今日のテーマは「市民との協働による雪舟」さん、どうしても「さん」をつけてしまいます、「雪舟を活かしたまちづくり」ということで進めていきたいと思います。雪舟さん、私どもはやっぱり「さん」をつけて、ほんとに親しく呼ばせてもらっております。ほんとに雪舟さんを、ほんとに6自治体、つないでいって、ほんとに市民も一緒になってますます地域が活性化していけばいいのではないかと思います。地域創生も謳われております。少子高齢化の中、ほんとに皆様、それぞれ課題を抱えての中、何か、この雪舟さんを縁に、柱に、結びつきが深まっていけばと、そういった思いを込めてこのリレートークを行っていきたいと思います。
まず最初に、こういった市民との活用というんですか、連携を活かしたと、そういったものをテーマにお話するわけですけれども、まず事例発表という形で、報告という形で行いたいと思います。それがすみましたら、ちょっと自由に質疑応答をいただこう、そういった段取りで行おうと思います。若干時間が押しまして、50分くらいの、ほんとに短い時間ではございますけれども、よろしくお願いしたいと思います。まず報告でございますけれども、トップバッターといたしまして、岡山県井原市の副市長三宅生一様からお願いいたします。
三宅>
三宅・井原市副市長改めまして皆さん、こんにちは。岡山県井原市の副市長であります三宅です。今日は、市長がこの場に来て皆様方に説明をしたいということでありましたが、申し訳ない、別の公務、それから明日は井原市のビッグイベント市民体育祭も控えておりますことから、私のほうで来させていただいております。先ほど、山下先生のほんとに深いお話を聞いて、いささか頭に入れ過ぎて疲れておりますが、頑張って紹介をしたいと思います。
それでは、井原市でありますが、まず、岡山県の西南部に位置しております。人口は4万4000人でありますが、ほんとにこじんまりとした、吉備高原の山あいにあるまちであります。岡山県の三大河川のひとつ高梁川、これの支流であります小田川が市の南を流れている、そういった盆地の山あいのまちであります。
特産品でありますが、井原市は古くから綿花の栽培が盛んな地域でありました。スタコラサッサの旧山陽道を横に走っているということでありますが、この繊維産業を中心として発展してきたということであります。この伝統を受け継ぎまして、昭和40年代にはジーンズの生地であるデニムの生産が全国一ということで、「デニムの聖地」ということで全国に発信しているところであります。
次に、特産物でありますが、井原市は西日本有数のブドウの産地でありまして、ニューピオーネ、瀬戸ジャイアンツ、シャインマスカットなど多くの種類のブドウが栽培されております。また、香り豊かな「明治のゴボウ」、長持ちすることも特徴であります。
さらに、井原市の美星町でありますが、「美しい星」と書きますけれども、文字通り大変美しい星が見えるところで、こちらには天文台、星空公園もございまして、多くの観光客においでいただいております。
さて、雪舟と井原市の関わりについて申しますと、京都にある雪舟と関わりの深い東福寺の記録をまとめた「東福寺誌」、あるいは「吉備物語」などの文献によりますと、雪舟が井原市芳井町にあります重玄寺で没したというふうに伝えられております。重玄寺でありますが、古くから雪舟終焉の地と伝えられておりまして、平成8年に重玄寺開山の千畝周竹の語録であります「也足外集」というものの中に、雪舟とのつながりを示す記述が確認されております。井原市と雪舟を結びつける史料となっております。
重玄寺所蔵の千畝周竹の頂相(ちんぞう)が雪舟の筆使いに似ているということや、狩野常信模本でありますが、雪舟の「山寺図」では描かれた風景が重玄寺の所在する芳井町の景観に大変よく似ているということから、専門家から注目を浴びているというところであります。
また、井原市には「先人顕彰会・井原」や「雪舟を語る会」など、雪舟の顕彰活動を活発にされている市民グループもあります。平成18年には雪舟を語る会主催によります没後500年記念事業が開催されており、同じく雪舟を語る会によって、雪舟の生涯を書き記した冊子「雪舟ものがたり」を発刊されるなど活発に活動いただいております。
以上、簡単ではございますが、井原市のご紹介とさせていただきたいと思います。
今回のサミットを開催されるにあたりましてご尽力をいただきました益田市の皆さん方に本当に衷心より感謝を申し上げまして、ご報告とさせていただきます。ありがとうございました。
末成>
三宅副市長様、ありがとうございました。まちの紹介とあわせまして、市民グループ雪舟を語る会の活発な活動内容をご報告いただきました。ありがとうございました。
続きまして、岡山県総社市、総合政策部長ノ澤泰洋様にお願いいたします。
ノ澤>
ノ澤・総社市総合政策部長皆さん、改めましてこんにちは。岡山県総社市でございます。本来であれば、こちらも、井原市さんと同じように、市長がここに来て、皆さんに雪舟のことをぜひお話したいということでございましたが、実は今、総社市、市長選挙真っ最中ということでございまして、明日が投開票という事情もございまして、私のほうから岡山県総社市を紹介させていただきたいと思います。
先ほど、山下教授から、雪舟さんのことで大変貴重なご講演をいただきました。我々、雪舟さんが生まれたまちなんでございますけれども、我々がまだ知らないことがたくさんあるんだと、雪舟を輩出したまちとしてちょっと恥ずかしいなという思いをしておるところでございます。
さて岡山県総社市、どういうところにあるかといいますと、井原市さんとは隣り合っているという位置関係でございますが、岡山県南部に位置する、人口約6万8000人ほどの市でございます。大変自然が豊かでございまして、先ほど山下教授から、雪舟さんの人間味あふれるというようなお話がございました。やはり、幼少期に、こういった自然豊かで人間性穏やかな土地で育ったことに起因しているんではないかとちょっと感じたところでございます。また総社市は南に倉敷市、東に岡山市と、大都市を抱えておりまして、住むにはちょうどいいという、大変恵まれた位置関係にあるというところでございます。
では、総社市には雪舟ゆかりのものは何があるかといいますと、雪舟が幼少時代に修行したという井山宝福寺というものがございます。やはり皆さん、雪舟といいますと、先ほど踊りもしておりましたが、ネズミ、縛り付けられて涙でネズミを描いたという逸話が残っておりますけれども、その場所になったのがこの井山宝福寺でございます。その他、これは余談ではございますが、桃太郎伝説のルーツとなった温羅(うら)伝説というものがございまして、詳細は時間の関係で話せませんけれども、こういったものが残る鬼ノ城(きのじょう)ですとか、備中国分寺というのがございまして、そこには吉備路のランドマークである五重塔もあるところでございます。
本題に入る前に、総社市でやっております特徴的な市政をひとつご紹介させていただきます。雪舟さんは国際的にも知名度が高いということでございますけれども、我が総社市でもそういった国際的な人材を輩出しようという観点から、英語に特化した地域、まちおこしみたいなものをやっております。人口減少地域の定住促進のために英語特区、山の中の英語留学みたいな形で、学区外から子どもたちを集めるという施策を打っているというようなことが今、特徴的にやっていることでございます。
続きまして、本題と言いますか、雪舟を活かしたまちづくりということでございます。総社市民、雪舟さんのことがほんとに大好きでございます。何かと市民に提案をすると、雪舟の関連のものが出てくるということでございまして、左上でございますけれども、ご当地ナンバープレート。これは地元の大学生にデザインしてほしいと言ったところ、やはりネズミを描いたものを作ってきてくれたりですとか、右下は、市のほうで直営でやっております高齢者のための、いわゆるタクシーですね。「ドアからドアへ」というものでございますけれども、この愛称を募集すると、やはり「雪舟くん」というのが圧倒的多数という形で、親しまれているということでございます。そのほか、これはゆるい話で恐縮ですが、総社市にゆるキャラ「チュッピー」というのがいるんですけれども、これはまさに、雪舟さんが描いたネズミから生まれた、ネズミをモチーフにしたものでございます。現在、ゆるキャラグランプリにも参戦中でございまして、島根はやはり「しまねっこ」。先ほど順位を見たら7位でした。うちのチュッピーは16位と大変健闘しております。島根の皆さんに投票をお願いするのは心苦しいのでございますが、よければ、1日くらい、チュッピーにも投票していただければと思います。また、子どもに雪舟を体験してもらおうという試みもやっておりまして、先ほどご紹介いたしました宝福寺におきまして、座禅体験ですとか、雪舟さんがやったという足でネズミを描いてみようといったような試みもやっているところでございます。
以上、駆け足ではございますけれども、総社市と雪舟さんとの関わり、雪舟さんと市民との協働のまちづくりを紹介させていただきました。ここで紹介させていただきましたのは雪舟生誕の地、総社市の赤浜にございますけれども、こういった碑も建てさせていただいております。亡くなった地は諸説あろうということでございますが、生まれたのはここで間違いなかろうということだけは確定しておるところでございますので、ぜひ皆さん一度お越しいただければと思っております。以上、駆け足ではございますが、紹介を終わらせていただきます。
末成>
ノ澤部長様、本当にありがとうございました。市民生活に、本当に雪舟さんが根ざしているんだなと、そういった発表、そして子どもさん方のそういった学習ですか、そういった体験学習等々の、大変貴重なお話、ありがとうございました。
続きまして山口県防府市の副市長さん、中村隆様、よろしくお願いいたします。
中村>
中村・防府市副市長皆さん、改めましてこんにちは。山口県の防府市からやってまいりました。雪舟ゆかりの皆さんが集います「雪舟サミット」に今年から正式に加盟させていただくことになったわけでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
山口県防府市でございますが、人口約12万人。山口県のほぼ中央に位置しております。瀬戸内海に面しております。千三百数十年前、大化の改新のあとに全国に国府がおかれたわけでございますが、その時から周防の国の国府として、栄えてまいった、いわゆる政治経済、交通の要衝として栄えてまいった土地でございます。ちなみにこの防府という名称は周防の防、そして国府の府をとりまして、防府と名づけております。「ぼうふ」ではございません。「ほうふ」でございます。歴史的には明治以降であると思っておりますが、雪舟さんのように歴史があるよ、というような大きな名前ではございません。
ところで、防府市と雪舟さんとの関わりでございますが、雪舟さんの最高傑作、山下先生のほうから先ほどいろいろご講話ありましたが、ここには「四季山水図」と書いてございますが、先生は「山水長巻」というふうにご説明になってお話をされたわけでございます。私ども、実は、「四季山水図」は先生のお話の中では何かほかにも作品があるとお聞きしたんですが、防府におきましては「四季山水図」というふうにしておりますので、このように書かさせていただいております。先生が縷々ご説明されましたので、このあたりにつきましては省略させていただきますが、防府市に毛利邸がございます。明治になりまして、山口藩のほうから移転してこられた、そのお屋敷でございまして、明治25年に着工いたしまして大正5年に、途中日清日露の戦争がありましたもので、完成したお屋敷でございます。その中に毛利博物館がございまして、今、先生のほうからお話がございました、私どもは「四季山水図」と言っておりますが、「山水長巻」、これが所蔵されているところでございます。実は先ほど申し上げましたように、結構歴史のあるまちでございますので、国宝が、この毛利博物館所蔵のものでは4点、これは「四季山水図」ですね。これは先生が先ほどしっかりご説明なさいましたので、省略させていただきます。次、お願いします。その毛利博物館のほうには国宝が4点ございまして、今ご覧いただいたようなもので、「山水長巻」のほかに3点ほどございます。防府市の山あいに東大寺別院阿弥陀寺というお寺がございます。重源上人が東大寺を再建するために防府市に来られて用材を調達された、そのようなゆかりのあるお寺でございますが、ここにも鉄宝塔と申します国宝が1点ございまして、都合、山口県に9点ほど国宝があるわけでございますが、先ほど先生は雪舟さんの国宝6点というふうにおっしゃいましたが、また違う国宝でございますが、9点中の5点があるということでございまして、まことに歴史のあるまちであるというふうに自負いたしております。
今回のテーマでございますが、「市民との協働による雪舟を活かしたまちづくり」というふうな、大変、私どもにとっては重いテーマではございましたが、具体的に、今やっていますことをご紹介申し上げますと、雪舟展、これは山口県立美術館の雪舟ウィークというのが、毎年11月頃、防府市の毛利博物館の国宝展と時期を同じくしてやっております。そちらのほうの、山口県立美術館と一緒にイベントの協力をしながらやっておるというようなこともございますし、社会見学、あるいは校外研修、あるいは教員の研修の中でしっかりと、こういった防府市の宝といえるもののご紹介を申し上げている、そんな状況でございます。
今日は私ども、あまり、この「市民との協働による雪舟を活かしたまちづくり」、現状ではあまり進んでいないと思っておりますので、勉強させていただくつもりで参ったわけでございます。どうぞよろしくお願い申し上げたいと存じます。
これが毛利邸と、これは毛利博物館の前の玄関でございますね。この奥のほうに博物館がございまして、こちらのほうは国指定名勝となっております毛利氏庭園でございます。先生のほうも先ほどご紹介いただいたわけでございますが、確か、今年は10月30日から12月の初めの週にかけて1ヶ月ちょっとのあいだ、国宝展を開催いたします。「四季山水図」、「山水長巻」を展示いたします。11月の中頃から紅葉が非常にきれいになるところでございますので、たくさんのお客様に来ていただいております。ぜひ実物を見ていただきますように、防府市のほうへおいでいただきますように、よろしくお願いを申しあげたいと存じます。
最後になりますが、私ども防府市はNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の舞台になっておりまして、と申しますのが、主人公の楫取素彦、のちに男爵になられますが、それとのちに再婚される美和さん。群馬県令となられて、国の大きなお役をされたあと防府市にお戻りになられるわけでございます。楫取素彦男爵におかれては20年、美和さんにおかれては30年、晩年を過ごされた地でございまして、そのドラマ館を、駅の近くのルルサスというところの2階に開設いたしております。「志士闊歩の地 ほうふ」と位置づけておりますので、毛利博物館の山水長巻をご覧においでになられました時には、このドラマ館のほうにもおいでいただきますようによろしくお願い申し上げまして、防府市の紹介とさせていただきます。ありがとうございます。
末成>
中村副市長様、ありがとうございました。教育面でのそういった、雪舟さんを活かした活動ですとか、国宝が5点ですか? ほんとうに文化の盛んなまちのご報告、ありがとうございました。先ほど、これから紅葉が美しいということでございましたが、紅葉の美しさでしたら、次の三原の市長さん、美しいですよね? そういったお話もあわせて、広島県三原市の市長様、よろしくお願いいたします。
天満>
天満・三原市長皆さん、こんにちは。広島県三原市から来ました。今回は益田市のほうにお邪魔いたします。私もちょうど2年前に総社市でありました雪舟サミットに参加して以来でございます。いろいろと、雪舟のつながりということで猛勉強しながら、今日やってまいりました。益田市の皆さんには大変いろいろとご迷惑をおかけしますが、これからいろいろと勉強いたしますので、どうかよろしくお願いいたします。
まず、三原市は平成17年3月22日に合併をいたしました。1市3町が合併いたしまして、今10万人弱でございます。世帯数4万4000世帯で、広島県の中央東部に位置しております。近隣の市町村との合併により、歴史や文化、郷土芸能、豊かな自然、空港やJR,港など交通の利便性、さまざまな面でさらに魅力が極まっております。陸海空の要衝を抱えております。
そして次に。永禄10年に、毛利元就の三男である小早川隆景が三原城を築城し、古くから交通の要衝として発展してまいりました。昨年、NHKの大河ドラマでございますが、第44回、11月2日でしたが、黒田官兵衛と毛利元就が対談をいたしまして、最後に市内探訪というのがありますが、その時に出たのが三原城と、ゆかりのある米山寺、佛通寺、宗光寺というのが出たと思います。これが今の城跡でございます。濠を整備いたしまして、あと2年後、平成29年、城ができまして450年、大きく450年の祭りをやっていきたいと今、皆さん一生懸命取り組んでおります。よろしくお願いいたします。
それから、やっさ踊りというのがございますが、三原城を築城した際に人々が祝って踊ったのが始まりと言われ、現在では8月にやっさ祭りを開催し、今年は36万人の人出でにぎわいました。やっさを通じた、三原城を作って、そしてやっさ踊りが始まっておりますが、またやっさを中心にしたいわゆる浮城まつりというのが11月にありますが、これが最後の、年内の締めのお祭りでございます。今、四大まつりがございますが、いちばんにぎわっておりますのが、450年伝わっておりますやっさ祭りでございます。
雪舟にゆかりのあります佛通寺についてお話いたします。佛通寺は応永4年、愚中周及師を迎えて開いた臨済宗佛通寺派の大本山であります。11月から紅葉が見ごろとなり、県内外から多くの観光客が紅葉狩りに訪れます。井原市重玄寺の開山千畝周竹師は、愚中和尚の高弟のひとりであり、佛通寺の住職も務めておりました。その時代に雪舟が佛通寺に滞在したと言い伝えられております。雪舟筆の「金山図」、これですね、それから「育王山図」の原図を佛通寺が近世初期まで所蔵したと言われております。現在は寛永17年に広島藩主の命により、御用絵師狩野安信が模写したとされる図が残っております。三原市は平成25年度に佛通寺の文化財調査委員会を組織し、絵画、庭園、古文書など総合的な調査を開始いたしました。また、佛通寺の敷地内には雪舟作と伝わる庭園もあります。今後、測量、発掘作業を行う予定となっており、これらの調査により、雪舟との関わりが学術的に明らかになることを期待しております。また、平成26年度に2回開催した「佛通寺文化財講演会」は多くの市民に聴講していただき、関心の高さがうかがえます。今年度も講演会を開催する予定でございます。今後も佛通寺の文化財を市民に身近に感じていただけるよう取り組んでいき、雪舟との関わりもひもときたいと考えております。
ここに出ておりますのが、先ほど言いましたように瀬戸内三原築城450年、ということで、今、長男、安芸高田市の毛利隆元、次男が吉川元春、北広島町でございます。そして私のほうが三原市で、小早川隆景でございます。この三兄弟がぼちぼち手を結んでいこうじゃないかということで、県知事を筆頭にそれぞれひとつの大きなセレモニーを作っていく、それで平成29年の450年には、ぜひともそういったところから甲冑の部隊が三原市を訪れて、450年を盛り上げていこうというような構想も練っております。どうぞ、雪舟サミットも大きく連携することによりましてまだまだ市町の連携、そして地方創生、そういったものがこれからどんどん盛り上がっていけば友好な都市間の連携ができるんだと思っております。まずは平成29年、がんばっていきますので、これからもよろしくお願いいたします。以上でございます。
末成>
次期雪舟サミット開催地の天満市長さん、ありがとうございました。三矢の訓えといいますか、知将小早川隆景の、本当に今、毛利両川の、3つの連携をますます深めていこうということでございました。そういった面もこの6つの自治体の今後の連携にもいろいろ役立つのではないかと思っております。何にいたしましても、紅葉のきれいな佛通寺の総合的な、科学的な調査が進められていると、雪舟さんがますますそういった面で、市民のあいだで深まっていくのではないかと、そういう感じがいたしました。ありがとうございました。
続きまして、山口市の総合政策部長、松冨博之様、よろしくお願いいたします。
松冨>
松冨・山口市総合政策部長皆様、改めましてこんにちは。山口市の松冨でございます。先ほど、山下先生のお話の中に、昨日セレモニーが行われまして、本日から通行できるようになりました新山口駅の南北自由通路の宣伝がありまして、新山口駅というのは新幹線、それから電車、ディーゼルカー、SLと、4世代のJR系の車両が見られるところなので、ぜひ皆さん、お越しいただけたらと思います。本日はこのような素晴らしいサミットを開催していただき、山本市長様をはじめ関係者の皆様、本当にありがとうございます。本来なら市長がまいりまして意見を発表させていただくんですけれども、あいにく出席がかないませんので私のほうから山口市のまちの姿や雪舟との関わりなどについてご紹介させていただきたいと思います。
まず、山口市の概要でございます。だいたい山口県の中央部に位置する県庁所在地でございまして、1市5町による二度の合併を経て、現在の山口市ができております。最初の合併から今年、ちょうど10周年を迎えております。今日、その合併10周年の記念式典がございます関係で、市長の出席がかなわなかったということでございます。
現在は、平成30年に明治維新から150年の節目を迎えますことから、「明治維新策源地山口市」を掲げまして、市をあげてシティセールスに取り組んでおります。今年度は市内の幕末維新関連史跡を掲載した「山口市幕末維新史跡ガイドブック」や、維新関連のエピソードやイベント情報などを紹介する広報誌「幕末維新 山口ものがたり」を発行するなど、文化や観光などそういった角度から本市の歴史と魅力を広く発信しているところでございます。
次に、山口市の成り立ちと、雪舟との関わりでございます。本市が、歴史的な特性や地域の魅力を、今のまちづくりに活かせますのも、まちの成り立ちが深く影響いたしております。時代は室町時代までさかのぼりますけれども、当時の山口を治めておりました、大内氏第24代弘世が京都にあこがれ、京都を模したまちづくりを行ったことが始まりとされております。その面影と申しますのが「大殿大路」とか「竪小路」といった地名として、現在も残っております。また、そこに住まわれておられる方々につきましても、そこに住んでいる誇り、あるいは地域への愛着といったものが脈々と受け継がれているといった状況でございます。また、当時、大陸との貿易を盛んに行っておりました大内氏のおかげで、山口は「西の京」と称されるほどに発展しておりました。先ほど、先生のお話にもありましたけれども、その頃京都で活躍しておりました雪舟が山口を訪れましたのも、そういった大陸とのつながりがあったからだと考えられておりまして、山口から中国へ渡り、水墨画を学んだ雪舟は、帰国後山口市の天花というところにございます「雲谷庵」、これは山口市で唯一の国宝であります瑠璃光寺五重塔から500mくらいの高台にありますが、この「雲谷庵」を拠点に創作活動を行っております。また、雪舟は水墨画のほかに庭園造りにも通じておりまして、室町時代中期に築庭されましたのが、山口市宮野地区にございます常栄寺庭園でございます。我々、通常、雪舟の庭と呼んでおります。そのほか、阿東地域の蔵目喜(ぞうめき)というところに常徳寺(じょうとくじ)、あるいは古熊地区に善生寺(ぜんしょうじ)といったところがございますけれども、これらの庭園につきましても、江戸時代の史料やその作風などから雪舟が造ったと伝えられております。中でも常栄寺庭園は簡素にして豪放、雪舟の山水画そのままの名園としてその名が知られております。
次に、雪舟を活かしたまちづくりについてでございます。本市では、新しいものを取り入れ活力とする大内文化の「進取の気風」を継承しまして、地域の歴史と文化を活かした新たな個性を創造するまちづくりを進めるために、「大内文化まちづくり推進計画」を策定しております。この中では一の坂川を中心とした一帯を「大内文化特定地域」と定め、地域資源を活かしたまちづくりのモデル地区としておりまして、雲谷庵跡をはじめとする特定地域内のさまざまな歴史資源にストーリー性を加えることで、楽しみながら回遊できる「歴史を巡るルート」を構築するなど、地域の協議会等と一緒になって、まちづくりを進めているところでございます。
また、このほかにも、雪舟に関連する取り組みとしましては、民間のあいだでも盛んでございまして、先ほど防府市さんのほうからもございましたが、山口県が11月の1週目を「雪舟ウィーク」としておりますことから、これにあわせて「あなたも雪舟 絵手紙展」、「水墨画模写競技大会」や「講演会」など、雪舟を身近なものとして親しみを持っていただくためのイベントが開催されております。
本市といたしましては、今後もまちづくりを行っていく中で、市民をはじめ、山口県や民間の団体と一緒になりまして、雪舟をはじめとする地域の歴史的資源に新たな魅力を創造して、地域の活性化につなげていきたいと考えております。
終わりに、本日のサミットでは、こうしたことを踏まえながら、いろいろと情報交換等をさせていただきたいと考えております。以上でございます。どうもありがとうございました。
末成>
松冨部長さん、ありがとうございました。益田に滞在した雪舟さん、ひとつの活動の拠点は山口だったということで、雲谷庵で、その大内さんとのゆかり、益田市ともいろんなゆかりのあるまちでございますけれども、雪舟ウィークを設けて、雪舟さんを活かした市民活動を積極的になさっているという報告でございました。ありがとうございました。
最後になりましたけども、サミットの開催地、益田市の山本浩章市長様、よろしくお願いいたします。
山本>
山本・益田市長それでは、益田市より、最後になりましたが、紹介をさせていただきます。益田市は島根県の西の端に位置しています。平成16年の11月に旧益田市、美都町、匹見町が合併して、昨年、合併10周年記念式典をこのグラントワの大ホールで開催したところでございます。
雪舟と益田市の関係でございますが、室町時代、当時の益田地域の領主でありました第15代益田兼堯の招きに応じまして、雪舟さんが益田に来られたということでございます。市民は親しみを込めて「雪舟さん」と呼んでおります。益田市内には雪舟の名前のついた、たとえば施設、場所、そういったものがたくさんございます。その一部をご説明いたしますと、まず、道路や橋や標識の関係では、雪舟中島線、雪舟踏切、雪舟橋、雪舟ふれあい通り、雪舟ウォーキングコースといったものがありますし、団体とか施設の名称としましても、雪舟顕彰会、雪舟保育所、雪舟園、雪舟橋自治会などがあります。さらには食べ物や飲み物のブランド名としても雪舟焼き、雪舟巻、煎茶雪舟、宗味雪舟といったものがございます。地元の中学校や高校の校歌にも雪舟の名前がたくさん出てきます。そして、市内の伝統芸能であります石見神楽にも、新作としまして雪舟が登場するものがありますし、雪舟音頭ですとか、雪舟橋盆踊り口説きといった曲もあります。このように、益田市内に雪舟の名前のつくものが軽く100は超えるといったところです。
また、雪舟さんと並んで益田市ゆかりの人物であります柿本人麻呂と並んでバスの路線にも「雪舟ライン」「人麻呂ライン」というものが取り入れられています。
雪舟が残した遺跡ですけれども、ひとつは、雪舟が益田に訪れました時に、最初に、当時崇観寺と呼ばれておりました現在の医光寺の住職になっております。そしてこの医光寺と、そこから少し離れた萬福寺に、それぞれ雪舟庭園が築かれております。
雪舟の絵画作品についてですが、まず左側の「益田兼堯像」、これは雪舟が60歳の時に描いた肖像画とされております。平成元年に益田市のふるさと創生事業で購入いたしました。現在、国の重要文化財となっております。また同じく重要文化財であります「四季花鳥図屏風」でございますが、これは兼堯の孫の宗兼に家督相続の祝いとして雪舟が描き贈ったものとされています。現在、京都国立博物館が所蔵されています。
雪舟はその後、一旦益田を離れますが、晩年、再び益田の地を訪れまして、東光寺、現在の大喜庵で亡くなったとされておりまして、雪舟さんのものとされる墓もここにあります。平成2年にはこの大喜庵の横に益田市立雪舟の郷記念館を建設し、雪舟やそのほかの水墨画の企画展を開催しております。そのほかにも、雪舟にちなんだ場所を歩いて巡る「ぶら雪舟」というウォーキングや、「マイうちわをつくろう」や「おどる水墨画」と言ったイベントも実施しております。
そのほかにも、地元の方々が実施される「雪舟さんまつり」、雪舟顕彰会が主催されます「幼児の絵画展」などのイベントもございます。
それから今年は、益田市で雪舟サミットを開催するということで、それを盛り上げようということで「雪舟まるしぇ」というものを、雪舟の郷記念館の駐車場を会場にして、5月から毎月1回開催しております。これには益田の市民グループだけではなくて、お隣の津和野町や江津市、萩市のグループの方も参加いただいております。
本日の会場となっております島根県芸術文化センターグラントワですが、これは美術館と芸術劇場が一体となった複合文化施設として、平成17年10月にオープンしております。ちょうど今月が開館10周年ということになります。来場者も、今年7月に、予想より早く350万人を超えております。この美術館におきましては、現在、この雪舟サミットの趣にあわせまして、開館10周年企画展「祈りの仏像 石見の地より」というのが開催されております。また明日10月4日は10周年記念の「来んさいデー」、来てほしい、来なさい、おいでなさいという意味の「来んさいデー」を開催します。ぜひこの機会に足を延ばしていただいてお楽しみいただければと思います。益田市としましては、安定した集客力を誇るグラントワを市の文化の発信地として活用するとともに、益田の万葉文化、中世文化の息吹を伝え、「雪舟さんを敬い、雪舟さんとともに生きる」市民の気持ちを大切にした文化施策を展開していきたいと考えております。
以上で、益田市の取り組みについての紹介を終わらせていただきます。ありがとうございました。
末成>
山本市長さん、ありがとうございました。以上、6自治体の代表の方によるまちの紹介、あわせまして事例報告をいただきました。大変示唆に富んだ、いろいろなヒントがあったのではないかと思います。本来ならここで質疑応答をしたいのですが、あと10分ないし15分しかありません。質疑応答をするとどうなるかわかりません。大変なことになりそうです。ですので、最後に、おひとかた2分ずつくらいのところで、雪舟さんは本当に文化芸術の巨人でございます。そういった文化的なひとつの活動、それから人的な交流、そういったものを深めながら、この6つの自治体がもっともっと連携が、交流が深められないのか、そして「市民との協働によるまちづくり」、実際にいろいろやっていらっしゃるわけでございますけれども、こういうふうなことをすればもっと住民主体の活動がもっと強化できるのではないかと、そういうようなご意見ご提言がありましたら、お話いただきたいと思います。
今度は逆回りで、市長さんは最後にまたお願いしますので。逆回りで、山口市の松冨様からお願いいたします。
松冨>
はい。先ほどから皆様のお話を聞いておりますと、山口市の中だけでは、まだまだ雪舟に対するものの掘り起こしというのがまだ足りていないなという感じは持ったところであります。今から、雪舟をキーワードに何かやっていこうとした時に、私どもがこんなのはどうかなと考えておるのは、このサミットの封筒にもありますけど、サミットのロゴマークというんですかね、これはあるんですけれども、そうじゃなくて、サミットではなくて、市民活動とかをされる時に、雪舟のマークはこれだよというようなロゴマークとか、そういったものを作って、市民活動をされる時にそのロゴマークを使っていただくと、そういったことをやっていくと、少しまた浸透していくのではないかなというようなことを考えたりしております。
それと今、国のほうで東京オリンピックをめざして、日本遺産というものを確か募集していると思います。こういった雪舟というものを題材に、関係する市でストーリーを作りまして、形とすればシリアル型というんですかね、複数の自治体でストーリーを作って。そんなものを、「誰がやるの?」というところはあるんですけれども、そういったことを少し考えてみると、もっと盛り上がっていくのかなというようなことをちょっと考えたりしております。以上でございます。
末成>
はい、ありがとうございます。すみません、駆け足になります。続きまして三原市の天満市長様、よろしくお願いいたします。
会議風景
天満>
私のほうは、今考えておるのは、伝統文化の交流というのがあります。それぞれの地域には、それぞれ古くから伝わる伝統文化がございます。こういったところの交流をこういった雪舟サミットで交流していけばますます盛り上がってくるんだと思います。それから、地域が元気がないということを、今、国のほうも言われていますが、それぞれ元気を出すためにスポーツの交流。たとえば高齢者であればグランドゴルフの交流なり、あるいは少年野球なり、スポーツの交流というのをしていけば、まだまだ地域が元気になってくると思います。そして交流をしながら、そして我々も、理事者側と議員側がいますが、議員のほうもそれぞれの交流をされていけば、まだまだそういったところの連係プレーができて、盛り上がってくるものと思っております。そしてまた地域には、三原市もそうでございますが、空き家が非常に多うございます。空き家バンクを利用して、そこに泊まっていただくというようなことも、それぞれいろんなところから入っていただく。そしてそこのところはいろんな活用の仕方がどんどんあると思います。そういったところに地方から来て泊まっていただく。そうしますと、まだまだ人口も増えてくるし、いろんな話も聞けると思います。こういったところの取り組みをされていけば、まだ出てくると思います。それからもう1点は、たとえば大きな旅行会社と組みまして、ひとつの大きなルートにしていただく。たとえば東回り、西回りというコースを作っていただいて、雪舟の観光ルートというのを流していただくというようなことも必要だと思っております。こういったところをこれからそれぞれの担当分野、担当課のほうで協議していただければ、まだまだこれから16回、17回に向けて盛り上がっていくものと思っております。以上で終わります。
末成>
はい、天満市長様、ありがとうございました。続きまして防府市の中村副市長様、お願いいたします。
中村>
はい。先ほども申し上げましたように、私どもおそらく、防府市は、雪舟さん、おそらくお通りになったんではないかと思いますが、お泊りになったようなことは、滞在されたようなことはなかったのではないかと思っております。雪舟さんとの唯一の接点は「山水長巻」、この所蔵でございまして。しかしながら、三原の市長さんもおっしゃいましたように、この中国地方、山陰山陽のほうにこの6市があるわけでございますので、先ほども山口市さん、三原市さんがおっしゃいましたように、何らかのストーリーを作ったうえで、旅行会社のほうからそういった訪ねて歩く、「雪舟さんを訪ねて」というふうな、そんな企画も必要になってくるのかなと思っておりますし、雪舟さんの人生というものを、私、まだ勉強しなくてはいけないと思っておりますが、いわゆる報道にも取り上げていただくし、できればドラマになるのか、あるいはドキュメントとして全国に発信する。それもこの6市の中で、雪舟サミットという存在を示しながら示していただくような、そんな働きかけもこれから必要になってくるというふうに考えております。以上でございます。
末成>
中村副市長様、ありがとうございました。続きまして、総社市のノ澤部長様、お願いいたします。
ノ澤>
はい。もうすでに、3市の方々から大変いいご示唆をいただいておりますので、似通ったものになろうかとは思いますけれども、やはり我々、観光というところは、ひとつ大きな提案をさせていただきたいなと思います。今、我が市においては隣接市とつなぐバスみたいなもの、周遊バスみたいなものを作りまして、観光のルートを作ったりという試みもやっております。これはまさに、雪舟をテーマにしてやることはまさにひとつの大きなテーマかなと思いますし、先ほど、日本遺産というようなお話もありました。これも我が市のことで恐縮ですけれども、我が市は今「赤米」というものを日本遺産に登録しようという動きをしておりまして、ぜひこういったことにも何か参考にしていければというようなことを思っております。これまでなかったものとしまして、先ほど山下教授もおっしゃっていましたけれども、実際のものを見るというのは大変貴重な体験になるんだろうと思います。防府市には国宝がございますし、三原市と益田市にも所蔵がございます。こういったものをぜひ、関連市にもぜひ持ち寄っていただいたりとか、我が市にしかないものをたとえば益田市に持ってきたりとか、そういったことで、市民の皆さんに雪舟さんに親しむ機会を多く、本物を見せるということが重要ではないかなと、今考えているというところでございます。以上でございます。
末成>
ノ澤部長様、本当にありがとうございました。それでは井原市の三宅副市長様、お願いいたします。
会議風景
三宅>
はい、井原市です。それぞれ皆さんがおっしゃったことと、すべて同感であります。皆さんもそうだと思うのですが、井原市も平成の大合併で10年たっているということで、そもそもの井原市、それから芳井町、美星町があるわけですが、この雪舟さんに限って言いますと、芳井町というところから端を発しております。なかなか、合併して10年でひとつのものになりにくいというのが現実でありますが、こういった先人顕彰会、民間の方がこれを取り上げていただいてひとつの市の地域づくりができているというようなことから、できうればこの6自治体で、雪舟さんの足跡をたどるといったような観点での観光マップができたら、これをたどって、じゃあ益田市に行ってみよう、というようなこともできてくるのかなというふうにも思っております。それが1点と、それから、先ほど会場に学生さんが来られたわけですが、やはり次代を担う人たちが何かの交流ができたらいいなというふうにも思っています。まずは手始めに絵画、書道、こういったものの交流から、人がそっちに行って体感するということ、こんなことができたらいいなというふうにも思っております。それから3番目になりますが、民間の交流として、やはり経済界がこれを後押しするんだということでもって大きな広がり、輪ができたらありがたい。こういったことの仕掛けをこの6市で、あるいは行政でできないかというふうにも思っております。
末成>
はい、三宅副市長様、ありがとうございました。本当に、6市が一体となっていろんな仕掛け、いろんな案が出たのではないかと思います。最後になりましたが、市長さん、まとめを簡単にお願いいたします。
山本>
はい。雪舟というのは放浪の画家というか、旅する芸術家で、総社市で生まれて、若い頃は京都で修業されたようですが、大内氏のご縁で山口を本拠にして、中国地方一円に、いろんなところに足跡を残しておられます。これはやっぱり、旅行を振興するという意味では、雪舟というキーワードで、いろんな地域をつなぐ周遊商品ができればいいんじゃないかと思います。今、日本を訪れる外国人が非常に増えておりますけど、はじめは東京とか京都とか有名な観光地を訪れられますけれども、これはリピーターになって2回、3回となってくると地方の都市にも、都市に限らず地方に目を向けられると思うんです。そういった時に文化的なつながりをもった旅行コースができれば、これは注目されるのではないかと思います。それから私は、雪舟さんというのが、日本発の文化というものが、なかなか日本人が見出しづらい、しかし外国で評価されると日本での評価が高まるということの実例ではないかと思っております。よくノーベル賞を、日本であまり注目されていなかった学者とかが受賞すると、あわてて文化功労者とか文化勲章とかを授与されるということがありますけど、雪舟さんはまさに、若い頃京都ではそれほど注目されなかったんですね、仏教家としても、画家としても。しかし、山口に行って、そこから明に渡って、明の地で水墨画にしても禅宗にしても非常に高い評価を受けて、実績と自信をひっさげて日本に帰ってきて、爆発的に注目される画家になったということは、日本独自の文化、日本発の文化というものをもう一回、日本人自らが見直す、そうしたきっかけにできるものではないかと思っております。そういった意味で、もう一回雪舟を見直して顕彰していくということが、我々雪舟ゆかりのまちの務めかなと、市民の皆様にもそれを呼びかけていきたいと思っているところです。
会議風景
末成>
はい。山本市長様、まとめていただいて本当にありがとうございました。若干時間をオーバーいたしましたが、本当に、6自治体の代表の皆様方、熱心なご討議、そして最後のいろんな、今後に向けての提言もいただきまして、ありがとうございました。6つの自治体、まさに文字通り、今後ともむつまじく、まずは行き来をしながら、交流をして深めながら、また次への未来に向かって進んでいければと思います。本当に今日は皆様方、ありがとうございました。そして会場の皆様方も本当にありがとうございました。以上をもちましてリレートーク、終了させていただきます。ありがとうございました。
司会>
司会進行をお務めいただきました末成様、ありがとうございました。また、各自治体のパネリストの皆様、ありがとうございました。
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